マーケティングの世界で頻繁に使われているペルソナという言葉。
ペルソナは普段馴染みのないマーケティングで使う言葉なので、Youtubeに動画を投稿しているYoutuberにとっては無縁のものと考えているかもしれません。
実は動画とマーケティングという一見関係なさそうな繋がりですが、動画をみる視聴者をペルソナという考え方で当てはめると1つの解答が見えてきます。
その解答とはつまり、
熱狂的なファンを作り上げることができる動画を作成できる
不思議に感じたかもしれません。
マーケティングの世界では常識とされている考え方をYoutuberを始め動画投稿、生配信をしている多くの配信者がペルソナを理解をして自在に使えるようになればこれほど強いものはありません。
ぜひ、この記事を通してペルソナの基礎と使い方を理解し自在に使えるようにしていきましょう。
ペルソナとは?
マーケティングの世界で使われている「ペルソナ」は、企業が提供するサービスや商品を実際に買ってくれる理想のお客様像のことです。
似たような言葉にターゲットという言葉がありますが、ターゲットは一般的な分け方である「男or女」「居住地」「独身」といった大きなくくりで判別しています。
一方、ペルソナはターゲットよりさらに細かい個人的な部分にまで踏み込んでいきます。
例えば、20代後半の独身、東京住みの男性をさらに詳しく書いてみると。
職業:製造業現場勤務
会社:お菓子製造会社
役職:現場監督者
学生時代:地方私立大学卒、経済学部
家族構成:未婚、1人暮らし
趣味:音ゲー、絵描き
友人関係:学生時代の友人との絡みはほぼなし、会社同僚とたまに居酒屋に行く
このようにペルソナでは趣味や趣向、ライフスタイルといったより1個人のより深い価値観にまで掘り進めていきます。
より深い1人をお客様として考えることで、お客様の視点に立った判断をすることができます。
もし、細かく1人のペルソナを決めない状態で商品(動画)を設計して顧客に情報を広めようと思っても、商品のどの部分を強調すればよいかわからなくなります。
例えば、性能のよい冷蔵庫を企画するように依頼された社員が2人いるとします。
1人は冷蔵庫の保冷機能を重要視している考えを持っています。
しかし、もう1人は電力消費のことを考えて維持費を安く済ませることが性能的に優れていると考えたとします。
当然どちらも性能的には素晴らしいので両方とも組み合わせたいと考えるかもしれません。
しかし、2つのことを同時に組み合わせようとすると当然判断が難しくなりますし、商品設計もままなりません。
さらに性能を組み込んでいこうとするとよりややこしくなります。
どれもこれも良い性能というまとまりが欠けた商品やサービスは誰の心にも届かない無用の長物になってしまいます。
ペルソナとして想定した1人を基準として、自社の製品を見たときにこのお客様がどう感じるか、実際にほしいと思うだろうか、悩むポイントはどこだろうかをピックアップしてみましょう。
そして、商品を1人のペルソナに合うように設計することで、より価値が高いコンテンツが出来上がります。
どうして動画にもペルソナは必要なのか
動画と言ったコンテンツは当然誰かに見られることを想定して、多くのYoutuberさんが多くの時間と労力をかけて作成しています。
もちろん多くの人に見てもらいたいと思って動画は作られているのですが、ここで大きな罠が待ち構えています。
その動画は誰にむけて作られたのかが忘れ去られているかもしれません。
Youtuberさんからすれば当然多くの人に見てもらいたいと考えています。
しかし残念ながら、全員が見たいと思うものを作るのは不可能です。
私がお化粧やダイエットといった若い女性が好む動画を全く見ないことと同様に、おじさんが好むような趣味動画を10代の若い世代が見るとはとうてい思えません。
例えば、
おじさんが好むようなゴルフの話題を若い世代にも知ってもらいたいと考えている太田さんがいるとしましょう。
もしこの時に若者というペルソナを決めないで動画を作り始めると……
動画の構成はゴルフ教材のような先生口調でお話しをしながら、淡々と進めていくスタイルになっているかもしれません。
正直今の若者に淡々とゴルフのスイングや基礎知識を教えてくれる動画を勧めても、おとなしく最後まで見てくれるのはプロゴルファーを目指す子供たちや同じ世代のおじさま方ぐらいでしょう。
それ以外の多くの若者はさっさと離脱してHIKAKINやはじめしゃちょーのような明るく、キャッチャーなタイトルの動画に飛びついていってしまいます。
あらかじめ動画を見る視聴者というペルソナを決めておかないと、あなたが見てほしいと考えている視聴者には一切内容が伝わらないものが出来上がります。
ペルソナの作り方
大まかに自分が作製する動画がどの層にマッチするのか、見てもらえるのか判断しましょう。
情報収集をするなら同じジャンルの内容を発信している他のYoutuberの動画のコメント欄を覗いてみましょう。
コメントの仕方や内容でどのような視聴者が見ているか見えてきます。
また、ノックスインフルエンサーというサイトでは有名Youtuberのチャンネル登録者の男女比・年齢比を見ることができます。
ジャンルごとで視聴者の年齢、性別はかなり異なるのでペルソナを作る前に自分のやりたいジャンルは注意して確認してください。
ツイッターやインスタグラムなどのSNSも視聴者の動向を見る上では役に立ちます。
自分が目指すジャンルのトップYoutuberをフォローしている人のアカウントを見ていくと、視聴者の生活模様や性格・趣味などがうっすらと見えてきます。
SNSは普段の私生活が反映される場所なのでどんな時に動画を見たり、どんな動画が面白かったとリアルな反応がみれる貴重な情報源として利用できます。
ペルソナがわからない時の対処法
もしYoutubeやノックスインフルエンサー、SNSを見ても自分が作りたい動画の視聴者~ペルソナが見えてこない時は、過去の自分をペルソナとして書いてみましょう。
例えば私の場合だとさきほどの例で示したようなペルソナを作り上げています。
この時の行動パターンからどのような習慣で行動しえいるか想像してみましょう。
・仕事をして家で帰ってきた後にご飯を食べる。
・寝るまでの間の少しの時間をゲームをしながら楽しんでいる。
この場合私は2通りの視聴者ペルソナを想定して動画を作れると考えました。
1:視聴者がひたすら楽しく過ごせるように配信者自身もテンション高めにゲームをする。
2:ゆったりとした時間を作り上げて、視聴者もゆったりとゲームしているところをみながらおしゃべりをする。
別にどちらが正解というわけではありませんが、ペルソナの選び方によって視聴者層が変わります。
テンション高めの配信をしているなら、視聴者も同じくにぎやかな雰囲気を好む人が多く集まります。
おとなしめの雰囲気だとコメント数はそこまで多くはなりませんが、ゆったりと会話が楽しめる人たちが集まる。
あなたがどんな視聴者層を集めたいのかによって、動画の構成や内容・トークの仕方がガラッと変わります。
当然ジャンルによっては全く存在しない視聴者層も存在します。
エンタメ系を試したいと思っているのにペルソナとして落ち着いた大人の男性に見てもらいたいと思ってペルソナを設定したら、スライム風呂をやりながら大きなリアクションもなく淡々と語り掛けるというシュールな映像が出来上がります。
あまりのシュールさが若者の間で話題になるかもしれませんが、本来の落ち着いた男性というペルソナには全く響かない内容になってしまいます。
あなたの設定したペルソナが動画のジャンルの中でしっかりと存在するかどうか確認をしてください。
ペルソナを想定して動画を作ると同じような考えや価値観を持った人が動画を見たときに、
・自分と同じことを考えているのだな
・確かにそうだよな
とついつい納得したり、共感したりと心が動かされる感情が生まれます。
あなたと同じ思いや考えを持っている人が動画で現れて、ついついその人のことを知りたいという感情が出てきた経験はありませんか?
心理学では共感的理解と言います。
画面越しの相手からでも「私はこんな思いを抱いていてあなたもそう感じませんか?」と聞かれて、少しでも似たような価値観をもっているとつい「僕もこんな思い抱いているんだよな、この人と一緒なんだな」と心のどこかで感じています。
「Youtubeなどの配信画面を通して相手を信頼する」と聞くとなかなか難しいと感じるかもしれません。
しかし、配信者がペルソナを決めてこんな価値観を持った人に届けたいと決めて作り上げた作品は似た価値観を持った視聴者に届きます。
ペルソナの絞り込み方によっては大きな人数を獲得できないかもしれませんが、あなたの考え方と合った視聴者を呼び込みたいなら自分をペルソナにして実践してみてください。
あなたがしてほしいようなコメントをしてくれる視聴者が自然と集まってきますよ。
まとめ
ペルソナはあなたのチャンネルにやってくる視聴者の性質を決める重要なカギ
ペルソナを細かくすることでかなり濃いファンを作れる半面、属性を絞りすぎると来る人は減る