世の中には誰にも思いつかなかった発想や痒い所に手が届くような絶妙な発想で一代をなすような発明を成し遂げる人はいます。
世間から必要とされるそんな思考をどのようにすれば身につけることができるのか、当然みんな気になる題材ですね。
今回の記事では光本勇介さんの著書「実験思考」をもとに解説します。
- 人気が出たサービスの裏側を知りたい
- 実験的な取り組み方って何?
光本勇介について
学生時代よりネットを使った物販経験をつみ、お金を稼ぐという感覚を身に着けており自分の要らないものを写真で取ってアプリに読み込ませるだけでお金が振り込まれる「CASH」というアプリを作り出し世の中の話題をさらった起業家。
時代の先をいくサービスをいくつも作り出し、誰でも簡単にオンラインストアが作れるSTORES.JPや株式会社バンク、hey株式会社など複数の会社の設立している。
性善説を利用する
性善説と聞くといやそれはサービスに利用できないだろうと考えているかもしれない。
世の中を見渡すと明らかに悪の道を突き進んでいる詐欺師を見つけることも珍しくないですね。
実は人を疑うというスタンスはサービスを提供する立ち位置で考えてみると余計なトラブルを抑えたり、不正使用を抑える意味で重要としています。
オープンなサービスにしすぎてお金を払わずにとんずらされたらサービスする側からしたらたまったものではないでしょう。
しかし、光本氏がCASHというアプリで行ったサービスはビジネス的に見て人を信じたモデルにしたほうがより多くの儲けが出るという考え方の下で行われました。
CASHでは要らなくなったバックや財布などをスマホのカメラで撮影しアプリに反映させると、金額とその値段で出品することが選択できます。
選択ボタンを押すとまだ商品を送り届けていないにも関わらず、金額が瞬時に指定の口座に振り込まれるという驚きの仕組み。
商品はお金を受けてってから送りだせばよくて、お金がすぐに手に入るという手軽さからSNSで一気に拡散しCASHのサービススタートしてから16時間後に3億円分の商品が登録されるという爆発ぶりでした。
当然、お金だけ受け取って商品を送ってこない悪い人がいるのではと考えたと思います。
実際に100人中数名は送ってこない人もいるそうです。
しかし、ここで注目してほしいのは悪いことをされた被害額ではなくてどれだけの利益を出すことができるかということです。
CASHでは2万円以上の価値がある商品は受け取らない(=お金を払わない)という上限を決めており、仮に100人中5人にばっくられても10万円の被害ですみます。
そして、CASHで出てくる査定額は市場流通価格の1/3を目指しているので95人がちゃんと製品を送り届けてくれて、商品を売りさばくことができれば被害額の30倍以上の儲けを得ることができます。
計算例
商品の査定金額をすべて2万円として100点出品されたとする。
支払ったお金…200万円(2万×100)
商品を送ってこなかった5人分の被害額…10万円
95点の商品はすべて6万円分の価値があるとして、570万円で売れる。(6万×95)
運送、保管費用などの諸経費は無視する。
利益360万円(570万-200万-10万=360万)
利益360万円、被害額10万円
CASHでは商品についての大まかなことだけを記入するだけでよく、余計な時間を使わないでお金をもらえるというお客の負担を極限まで減らして今すぐお金がほしいという欲望を満たしてくれます。
このお客さんの手間をいかに減らすかというポイントがとくに大事で、私たちはとにかくメンドウくさい記入が大嫌いです。
しかし変な人にサービスを利用してほしくないからとクレジットカードの認証を入れたり本人確認をいれたり写真どうりの商品を送ってくれたか確認してからしかお金が振り込まれなかったりと、人を疑うことで余計な手間と時間とコストがかかっています。
ツイッターで面白そうなサービスを見つけたからクリックしてみたけど、詳しい情報を得るためには氏名・住所なんかの情報を入力してくださいといわれたら正直面倒だなと感じると思います。
1分にも満たないような少しの入力作業かもしれませんが、その少しの手間も嫌だと感じる人は増えてきています。
お金と同様に時間を大事にしたいと考えている人にとってはそんな作業をするなら、マンガやアニメ・ドラマなんかを見て楽しんでおいたほうが良いと考えてしまいます。
ですが、情報入力や出品確認というちょっとした手間を省くことでより多くの人が使い始めてくれるかもしれません。
利用者が増えていくと当然被害額も膨らみますが、それ以上に「正常に利用してくれる人が増える」かつ「仕入れ値より3倍高い売値」が重なることの利益がより増大します。
そんな使用者のマインドブロックをできるだけ少なくして、簡単にサービスを受けられる段階まで落としてあげる考え方はサービスを提供する側にとっては今後より大事になってきます。
たくさんの便利なサービスが乱立する今の時代ではより簡単にわかりやすい形で結果が帰ってくるシンプルなものが好まれます。
複雑な文章を読んで承認したり、ハンコを押したり、直にあって話してからしかサービスを受けれないなんて言われたら数百万人に使ってもらうことはまず難しいでしょう。
もちろん被害が大きくならないための制限はどこかに仕掛けておかないといけません。
(CASHでは金額2万円以内が制約)
無制限に使いこなされてしまうと提供側の制御ができなくなるので、最低限のきまりを設定して利益が最高値になるようにしてみるのが良さそうですね。
すべて業種・サービスで性善説のように人の善の心を信じる考え方をモデルにするほうがよいとは限りません。
しかし利益を最大限にするという思想を大事にするならより多くの人に使ってもらうために使用者のブレーキになる部分を取り除く考え方を取り入れてみてください。
実験的に試す
大きな利益を出したCASHというアプリはもともとは光本氏の実験として行われたサービスです。
人を信じたサービスを試してみたらどれぐらいの人がしっかりと商品を送ってきてくれるのかを身をもって体験したかったようです。
実験思考という本のなかにはタイトル通り光本氏がこれまでに手掛けたサービス(=実験)の根本的な考えが書かれていました。
起業家ではなく一般人の視点から世の中の矛盾点を探したり、既存のサービスをより効率的にできないかという発想を練り上げてみる。
思いついたアイデアを実際の形にして世の中に出してみる。
思いついてから出して反応をみるプロセスはいわば1つの実験です。
実験室の中で試験管や試薬を使った実験と違うように見えるかもしれませんが、アイデアを形にするという発想は自分の人生を楽しく豊にする上では欠かせない要素です。
こんな実験は一般的な社会人には到底チャレンジできないことかもしれませんが、自分が思考して結果どうなるかと疑問に思ったことは試してみる行動力はぜひYoutuberの活動の中に取り入れたいと感じました。
Youtuberには色んなタイプがいますが、日常の中で気が付いた疑問や悩みをより多くの人に伝えることを目的にして音声と映像という形で届けている人がいます。
あなたが思いついたことをさらっと動画という形にして広めるだけでも情報のシェアとしては莫大な力を持つことができます。
さらに情報を積み上げていくと再生数やチャンネル登録者数、視聴時間といった数字の結果として帰ってきます。
こんな内容にしたら視聴者のウケがよいだろう、前回はこのジャンルでよく見てもらえたけど次はちょっと変えてみようなどなど思考を巡らせることで、さらに目に見えて再生数やチャンネル登録者数も変化します。
実際に試してより多くの人に注目されたら当然嬉しいですし、より注目を浴びるような・役に立つような情報を届けようと実験を繰り返したくなってきます。
こんなドキドキする経験は実際に体験してみないとわからないかもしれません。
もし大きな人にもらえることになれば商売にもつなげることも夢ではないYoutubeも実験的に試していく場として利用できるので自分の人生を変えてくれる遊び(=実験)として試してみるのも悪くないですね。
まとめ
光本勇介さんの著書「実験思考」より性善説をビジネスのなかで生かしより多くの人に利用されるサービスを発明する裏側を解説しました。
また、実験的に考えていろんなジャンルに挑戦することをYoutuberとして利用するにはどう考えればよいかを解説しました。
実験思考はAmazonのKindle(電子書籍版)だと現在無料で見ることができます。
Kindle自体も無料でダウンロードできるので、気軽に読んでみてください。
同様に音声として気軽に書籍を楽しむことができるAudibleも無料なので利用してみてください。
実験思考 世の中、すべては実験
著:光本勇介
出版社: 幻冬舎 (2019/5/9)